東京高等裁判所 平成元年(行コ)68号 判決
ところで、被控訴人らは、財務会計上の行為でない本件都市計画決定は住民訴訟の対象とならず、かつ、行政行為の公定力により、その違法性は後の公金支出に承継されないから、これを理由として公金支出の違法を主張できないと主張する。
しかしながら、都市計画の決定は抗告訴訟の対象とならないものと解すべきであるから、これに内在する違法事由をもってこれに基づく後行行為の違法を主張することを妨げないというべきであるのみならず、右公金支出が財務会計上の行為であることは明らかであり、前示のとおり本件都市計画決定及びこれに基づく本件事業は具体的な本件高架道の建設を内容とするものであって、そのために用地の取得が不可欠なものとされ(なお、事業の認可により、都市計画事業の施行者に土地の収用又は使用の権限が付与される(都市計画法六九条等))、用地費が計上されているから、右計画決定とその用地費としての右公金支出とは密接不可分な関係があり、後者は前者の具体的実現行為であって、前者の違法性は後者の違法それ自体である。これを切り離して、前者の違法が後者に及ばないとすれば、後者について住民が訴えによりその違法を追及し、裁判所の判断を受けることを認めた趣旨と全く背反する結果になるから、被控訴人らの右主張にくみすることはできない。
(丹野 加茂 新城)